「今日は1人でパンを作りたい!」
前回、一緒に作って食べた焼きたてパンの美味しさに目覚めた小3の息子が、鼻息荒く宣言しました。
ところが、パン作りの前にゲームに負けてしまい、一気にイライラモードに……。
さらに、こねる作業の途中で「これはいつまでやるの?」と、投げ出しそうな雰囲気になってしまったんです。
そんな彼に、私は思わずこう言いました。
「じゃあ、さっきのイライラ、全部パン生地にぶつけちゃいな!」
その一言で、野球好きの彼のスイッチが入りました。
こねるというより、生地をボールに見立てて「壁当て」でもしているような勢いで叩きつけがスタート。
生地がどこかに飛んでいきそうな勢いでやっているため、
でも、一心不乱に叩きつける彼の姿がなんだかすごく楽しそうで。
掃除の心配はありつつも、その躍動感を見守る時間は、私にとって不思議と嫌なものではありませんでした。
……そして、焼き上がりの瞬間。
石窯ドームから出てきたパンを見て、私は言葉を失いました。
見た目が完璧なのはもちろん、食べてみたら驚くほど**「ふわふわ」**。
正直、私が丁寧に、状態を見極めながら焼くパンよりも、ずっと柔らかくて美味しいんです。
実は今回、粉と水を合わせて寝かせる**「オートリーズ」**という工程を挟んでいました。
あらかじめ生地を休ませて繋げておいたからこそ、
彼の迷いのない「叩きつけ」が、逆に良い刺激になったのかもしれません。
母としてのプライドは、正直ちょっと悔しい(笑)。
でも、たった1回でここまで成功させた彼のセンスには、素直に「すごいな」と脱帽です。
イライラが詰まったパンだったかもしれないけれど、
焼き終わった後の彼は、すっかり晴れやかな顔。
「美味しい!」
と自分で作ったパンを頬張り、
**「また作りたい」**
と言ってくれたことが、何より嬉しかったです。
私のプライドは完敗。
でも、パン作りが彼の小さな「自信」に繋がった、最高の一日になりました。


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